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[対談]地方には付加価値の高いものしか残らない 第2回 デービッド・アトキンソン[小西美術工藝社社長] 後編 - 日経ビジネス電子版

全4414文字

 老舗の酒蔵で経営革新を断行した若手経営者、平和酒造(和歌山県海南市)の山本典正氏。日本酒業界でおそらく知らぬ人はいない改革者の目を通じて、中小企業の新たな道筋を考える対談連載。元ゴールドマン・サックスの金融調査室長で、現在は小西美術工藝社(東京・港)社長を務めるデービッド・アトキンソン氏をゲストに迎えた対談の後編。
 前編では、日本の労働者の生産性の低さを指摘し、人口減少、少子高齢化社会時代には社員の生産性向上と、社会保障費負担に対する経営者の意識改革が急務だと唱えたアトキンソン氏。
 対談後半は、これからの経営者に欠かせない資質について、具体的な発言に及んだ。

(前編はこちら

デービッド・アトキンソン(右)
小西美術工藝社社長。英オックスフォード大学日本学科卒業後、1990年に来日。ゴールドマン・サックス金融調査室長などを経て14年より現職。新著に『日本企業の勝算:人材確保×生産性×企業成長』(東洋経済新報社)(写真:菊池一郎)
やまもと・のりまさ(左)
平和酒造社長。1978年、和歌山県生まれ。京都大学経済学部卒業後、人材系ベンチャー企業を経て2004年に平和酒造入社。伝統的な酒蔵の組織・人材改革を手がけ、業績を伸ばす。著書に『個が立つ組織』(日経BP)など(写真:菊池一郎)

アトキンソンさんは、著書で日本の最低賃金の低さを指摘しています。

アトキンソン:世界的に見ても日本の最低賃金は非常に低い水準です(下図表参照)。私はこれまで賃上げの重要性を訴えてきました。人口が減少する中でも、社員一人一人の生産性を高めれば、給料を上げることができる。給料が上がれば、必要な人材を確保できます。つまり最低賃金を上げられる経営者は生き残ることができる。言い換えれば、賃金を上げられない会社は倒産します。

日本の最低賃金はかなり低い
各国・地域の最低賃金

出典:『日本人の勝算 大変革時代の生存戦略』(東洋経済新報社)より

山本:都市部に労働者が集中していますから、地方の中小企業こそ最低賃金を上げていかなければならないと思います。

 毎年、小さな酒蔵の平和酒造の採用試験に1000人以上の新卒の応募があるのですが、一方で地元のパート社員は集まりにくくなっています。地域の最低賃金よりも200円ほど時給は高いものの、苦戦しているのです。

 賃金を上げることに加え、企業のトータルの魅力を労働者に与えられなければ、地方の中小企業は人口減の時代に対応できません。

 地方には2つの問題があります。1つは地方の市場がなくなっていること、もう1つは労働者が減少していること。この2つをセットにして戦略を練ることができる地方の中小企業経営者が、勝ち残れるのではないかと思います。

 平和酒造では、社員一人一人がSNSで自由に情報発信して国内外の顧客を獲得したり、酒蔵としてはいち早く大学新卒採用に踏み切り個性を生かす組織づくりをしたりしてきました。

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April 20, 2020 at 03:02AM
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