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すべてはここから。J1制覇・川崎フロンターレの分岐点、その圧倒的な強さをもたらした理由 - Goal.com

【Jリーグ(J1)ニュース】明治安田生命J1リーグ第29節が11月25日に開催。等々力陸上競技場では川崎フロンターレとガンバ大阪が対戦し、川崎Fが5-0で勝利。今季の優勝を決めた。

残り4試合を残して川崎フロンターレは今季の明治安田生命J1リーグを制覇した。攻撃的なサッカーで、しかも数々の記録を塗り替えての優勝となったが、もちろん一朝一夕で成し遂げたわけではない。ではなぜ川崎Fはここまでの結果を出せたのか?(取材・文=林遼平)

■リーグ戦再開直前、練習試合の出来事

 今年の川崎フロンターレは強かった。

 25日、勝てば自力での優勝が決まる2位・ガンバ大阪との直接対決。立ち上がりからエンジン全開で相手ゴールに迫った。今季から採用した新システムの4-3-3を巧みに活用し、中央とサイドを満遍なく使いながらジャブを打ち込んでいく。隙が見えた瞬間には鋭いストレートを放ち、22分に登里享平のクロスからレアンドロ・ダミアンが先制弾を奪取。そこからはゴールラッシュとなり、終わってみれば5-0の圧倒的な勝利で最速優勝に自分たちで花を添えた。

 今季、川崎Fは記録づくめのシーズンを送った。最速優勝、最多勝利、最多勝ち点、最多連勝記録。新型コロナウイルスによるレギュレーションの変更など、様々な局面でイレギュラーな対応を迫られたため、今季のリーグ戦は近年とは明らかに違う難しさがあった。それでも川崎Fはなぜここまで圧倒的な強さを見せることになったのか。

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 いくつかのポイントを綴る前に、先に振り返っておきたい事象がある。すべてはここにつながっており、ここが今年の分岐点となっているからだ。

 それは新型コロナウイルスによる中断から再開が決まり、様々なレギュレーションの変更が決まった後のこと。再開に向けたトレーニングを続けていた川崎Fは、練習試合でも連戦連勝と好調を維持していた。

 しかし、再開1週間前に行われた練習試合で苦戦を強いられることになる。2-0で迎えた終盤、相手が5人交代を利用して一気に選手を投入してきたことで流れを大きく変えられてしまった。この試合が大きな契機となったと鬼木達監督も話している。

「あの試合までは、5人交代のことを何も考えていなかった。ただ、あの試合で5人というのはすごいキーワードなのかなと思いました」

■多くの選手を起用するためのトレーニング

20201125-kawasaki-mitoma

 今季の川崎Fは「5人交代」を有効活用した。タイトなスケジュールを乗り切れるだけの選手層を保持していたのはもちろんだが、どんな状況であっても「誰が見ても面白いサッカー」を具現化できるように交代枠を遺憾なく使った。

 正直な話、これだけ勝利を重ねているとはいえ、90分間圧倒した試合はほとんどない。むしろ前半に相手を疲れさせ、後半に選手交代を駆使してギアを上げて押し切る試合が多かった。後半スタートから60分までに得点が多いのはそれが理由で、今までより多くの選手を起用できたことが采配の選択肢を広げるに至った。

 この状況を巧みに利用したのが鬼木監督だった。

 レギュラーを固定させるのではなく、トレーニングで調子のいい選手を積極的に起用。ピッチに立てば、みんなと同じプレーをさせるのではなく、その選手だけが持つ特長を発揮するようにと口すっぱく伝えた。新システムは一つの形なだけで、これまで積み重ねてきたチームのベースに、一人ひとりのカラーを加えたことで毎試合新しい絵を作り上げたのである。

■誰が出ても川崎Fのサッカーになったわけ

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 この起用法が様々な選手を大きく成長させた。新加入の山根視来を始め、大卒新人の三笘薫や旗手怜央しかり、これまでなかなか出場機会に恵まれなかった選手もピッチに立つことが増えた。そしてピッチに立てば、勝利のために全力を尽くす。一人ひとりの目線は常にチームの勝ち点3に向いていた。

「少しずつ人が変われるのが、チームとしてモチベーションを保っていけるところ。チャンスを生かしたいという選手が多いので、そこは強みかなと思います」(鬼木監督)

 シーズン前半戦はなかなか試合に出られなかったものの、徐々に出場機会を増やして多くの勝利に貢献した齋藤学の言葉は、チームの雰囲気を表している。

「出られない時間もすごく多かったけど、正直、そこで腐らずにしっかりトレーニングを重ねたことが、今こうやってピッチに立てている一つの要因ではあると思う。ベンチ外の選手も含めて、このチームは全員が意識を高くやれている。いろいろな人たちと一丸となって取れたタイトルだと思います」

 一人ひとりがトレーニングから高い意識を持ち、誰が出ても川崎Fのサッカーを体現しようとした。それが多くの勝利につながったのは間違いない。

■「ノルマ3点」という攻撃的思考

20201125_Kawasaki3

 そして、最後に触れたいのが、今季のチームに指揮官が求めた「ノルマ3点」という攻撃的思考だ。攻撃的なサッカーを志向しているとはいえ、簡単に言えるような目標ではないし、世界のどこを見渡してもこんなノルマを掲げるチームはそうそういない。ただ、指揮官は前述した練習試合からヒントを得た上で確固たる自信があった。

「やはりあの試合で、5人交代があると2-0で勝っていても何が起こるか分からないと思いました。そうしたら3点以上取らないと試合は決まらない。そこで3という数字が出てきましたね。それに自分の中ではその数字に違和感がなくて、彼らだったら取れるんじゃないかなと思っていたんです」

 結果的にこの攻撃的思考はチームの勢いを加速させた。どれだけ連勝を重ねようが関係ない。目の前の試合で3点以上取って勝つ。取れなければ勝っていても悔しさを覚える。多少歪ではあるが、芯の通ったメンタリティーがチームに浸透したことで、圧倒的な攻撃力を手にすることになった。

 ふと考えれば、優勝が決まる試合で相手が2位。2-0で前半を折り返した時点で守備に意識を置いてもおかしくはなかった。それでもさらに得点を目指し続けたところに、今季の川崎Fの姿勢が現れていたように思う。

 様々な記録を打ち立てた優勝。この優勝は記録だけでなく、攻撃的なサッカーを披露した川崎Fとして多くのサッカーファンの記憶に残ることだろう。

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November 27, 2020 at 02:29PM
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