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『成功すること』一発屋からの提言|ジョイマン高木の【キャリアの斜陽】第4回 - ジョイキャリア

斜陽の陰には新たな光がうまれている。見方を変えればそれは新陳代謝ともいえる。沈みかけた時にどうするか?そこで人間の真価が問われる。

一発屋と言われながらも活躍を続けるお笑い芸人 ジョイマン高木氏。その日々は一見沈みかけたと思われるようなピンチが続く。しかし高木氏は沈まない。そんな高木氏のこれまで歩んできたキャリアを振り返る連載企画「キャリアの斜陽」。第4回は、一発屋と言われる僕なりの『成功すること』について考えてみました。

はじめに

お疲れ様です。ジョイマンの高木晋哉です。

これは自分が芸人として安定した低空飛行を続けているから負け惜しみで言うのですが、最近、世の中を見渡すと、人間は上昇志向を誰もが持っているということが大前提になっているような論調が多いと感じています。

皆さんはいかがでしょうか?世の中の上昇志向をかき立てる扇動感が凄いと思うのです。

出世したいでしょう?良い暮らしをしたいでしょう?美しくなりたいでしょう?

いや、ちょっと待ってくれと。そうでもないよと。そうでもない人もいると。

確かに全く無いわけではないけれども、それ前提で話されても困ると。正直、僕には上昇志向というものが人より少ないような気がします。だから違和感を感じるのかもしれません。

他人に決められる「成功」の型

誰かに求められる成功で良い?

「成功している人はだいたい〇〇をやっているんですよ」とか言われると、何だか的外れな脅迫をされているような気持ちになります。

人間の上昇志向につけこんだビジネスも目につきますが、僕は皆が皆、世間的に成功することを求めているわけがないと思っているのですが、どうなのでしょうか。

大金持ちになりたいとか、物質的に満たされたいとか、勝ち組になりたいとか。もちろん求めている人が沢山いるからそうなるのでしょう。しかし、周りから見て分かりやすい成功よりも、本当は自分の心の繊細な充実を求めたがっている人のほうが多いのではないでしょうか。

誰かに分かりやすい成功を求めさせられてはいませんか?

確かに高みを目指す気持ちが全く無いことも少し問題はあるかもしれませんが、僕はどんな動物も進化というものは急いでするものじゃなく、何世代もかけてやっとこさ成し遂げるものだと思います。

ちょっぴり話が大きくなってしまいましたが、本物の成功は誰かに急かされて目指すものではないということです。

ゼロから見つけた自分なりの「成功」

自分の価値観で成功を見つける

かくいう僕も芸人として駆け出しの頃は成功することが全てだと思っていました。売れなければ何の意味もない。0か100かの世界だと思いますし、今も根底にはその心があります。

しかし、芸人を続けていく中で、一発屋と呼ばれるようになったことは大きな分岐点でした。ジョイマンは2008年に仕事が急激に増え、2010年頃には急激に減っていき、その後は地方営業にも人は集まらなくなっていました。

そんなある日、営業にお客さんが0人しか来なかった日がありました。

そのことをSNSに投稿すると、その事件が話題になって、0人しか来ないジョイマンの営業を観たいお客さんが多く集まるようになりました。売れていないことが、集客が無いことが集客に繋がる。この摩訶不思議な現象は僕の人生に大きな影響を及ぼしました。

成功しないことも成功なのかもしれない。売れていないことも売れることなのかもしれない。ちょっと自分でも何言ってるか分かりませんし、禅問答のようですが、そのように思えるようになりました。

それに、時代の移り変わりと共に「売れる」ということの概念の輪郭が曖昧になってきているような気もします。少し前までなら、テレビで冠番組を持つことが多くの芸人の夢だったと思うのですが、その夢もここ数年でどんどん多様化してきているようです。

航海の目印にしていた港の灯台が急に何個も増えて、光が何個もずらりと並んでいる感じ。どこに向かっていいのか分からない。芸人の世界に限らず、人の幸せ自体が多様化し、似たようなことは世間でも起こっているのではないでしょうか。

自分なりの「成功」を錨(いかり)に

成功の形は人それぞれ

世間の提示してくる分かりやすい幸せや成功を目指すことは確かに楽なのかもしれません。ですが、何が成功かの正解が無くなりつつある時代だからこそ、自分にとっての幸せは何か、自分にとっての成功とはどんなものかということを、自分の心にしっかり聞いてみたほうが良いと思います。

良く言えば、多くの選択肢の中から自分なりの幸せを選べる時代になったということ。

だから別に、出世したくてもいいし、したくなくても良いと思うんです。良い暮らしをしたくてもいいし、したくなくても良いと思うんです。かっこよく、美しくなりたいと思ってもいいし、思わなくても良いと思うんです。

駄目でも良いと思うんです。駄目でも気に病まなくても良いと思うんです。

これからも時代は急速に変化していくのでしょう。流行り廃りが繰り返され、今の当たり前が数年後には当たり前じゃなくなっているのでしょう。

幸せの選択肢が増えていくたびに、時代は目も開けられないほどの強風で人々を四方八方に扇動しようとしてきます。だからこそ、いつもいつも時代の気まぐれな脅迫を丸飲みするばかりではやってられません。

僕は時代から突き付けられた「一発屋」という言葉を、額面通りではなくカラフルな言葉として自分の中で熟成させることが出来て良かったと思っています。

誰かに急かされ、誰かと自分を比べて生まれる上昇志向にとらわれるのではなく、一発屋でも良い、駄目でも良い、ということを前提に自分達の未来を見つめていくことは、これからの人類にとって大切なのではないでしょうか。

この記事を書いたライター

高木晋哉

高木晋哉

神奈川県横浜市青葉区青葉台出身。桐蔭学園高等学校出身。 早稲田大学教育学部国語国文学科に入学、三年次退学。 2003年4月、同級生であった池谷和志氏とジョイマンを結成、東京NSCに8期生として入学。 2013年、『ななな』(晩聲社、2013年)を出版。

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