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与党税制大綱 力強さ欠く小幅改正だ - 東京新聞

 二〇二一年度の税制大綱を与党が決定した。固定資産税の減免などが盛り込まれ、与党は新型コロナ対策に力点を置いたと主張する。だが改正は小幅にとどまっており力強いメッセージに欠ける。

 個人向けの改正では、借金で住宅を購入した人向けの住宅ローン減税の拡大が目玉だ。所得税と住民税を減免する対象を床面積「五十平方メートル以上」から「四十平方メートル以上」に広げ、入居期限も二二年末まで延ばした。

 住宅地や商業地を問わず固定資産税も減免措置を施す。具体的には納税額が上がる土地は税額を据え置き、地価が下がる場合は税額を引き下げる。

 いずれもコロナ禍で所得が減った世帯や、固定資産税が重荷となっている店舗などの負担軽減が狙いだ。ただ床面積を十平方メートル分緩和したり、税額据え置きなどだけで大きな効果を得られるかどうか疑問だ。

 住宅ローンをめぐってはボーナスが激減するなどして支払いが滞る例が増えている。減税を実施するなら対象条件をすべて外し、期間もコロナ禍収束までとするなど思い切った措置が必要だろう。固定資産税も全体の税額を引き下げるといった確実に効果がある措置を実施すべきではないか。

 自動車重量税が減免されるエコカー減税も期限が延長された。だが日本に先駆け欧州や中国でガソリン車やディーゼル車の規制が加速する中、これまでの措置をやや強化したのみで十分なのか。電気自動車(EV)やハイブリッド車の生産・販売を後押しするなら自動車にかかる税制全体の抜本的見直しが必要なはずだ。

 今、新型コロナの感染は激しい勢いで再拡大しており人々の暮らしが一層逼迫(ひっぱく)する恐れは強い。所得税などを一定の割合で引き下げる定率減税の緊急実施や、消費税の一部軽減さえも視野に入る経済状況と考える。

 税制の根本原則は公平性にある。政府・与党は公平な徴税環境を整え、無駄なく予算を配分する責任を持つ。ただ同時に税制を利用して苦境に直面した人々や企業を支援したり、産業育成につなげる工夫を行う義務も担っている。

 今回の大綱は小幅な改正でお茶を濁した感が強く新たなアイデアが不足している。

 暮らしの危機にきめ細かく配慮する一方、長期的な視野にも立った実効性の高い税制の実現を強く求めたい。

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