コロナ終息「ほうこうさん」にお願い 伝統的工芸品・高松張子の人形展示 - 毎日新聞 - 毎日新聞

高松市歴史資料館のロビーに展示されているほうこうさん＝高松市昭和町で2020年6月18日、喜田奈那撮影

　高松市歴史資料館（同市昭和町）では、新型コロナウイルスの終息を願って、県の伝統的工芸品「高松張子」の病よけとして伝わる「ほうこう（奉公）さん」を展示している。同館の担当者は「愛らしい姿を見て癒やされてもらえれば」と話す。

　同館によると、生駒氏が高松を治めていた時代に姫に仕えていた童女の「おマキ」が、ほうこうさんの由来となった。おマキは姫の重い熱病を自分に移して離島に渡り、短い生涯を終えた。姫は病が治り、人々はおマキの献身的な行いをたたえ、しのんだという。

　後に藩主となった松平氏の時代に高松で張子作りが盛んとなり、おマキをモチーフとしたほうこうさんが作られるようになった。厄よけの赤い着物に熱病で目が赤いのが特徴で、昭和時代初期には病気になった子供に抱かせたほうこうさんを海に流す風習もあり、病よけとして用いられてきた。

　同館で無料開放しているロビーに、市民らから寄贈された高さ3～29センチの大小さまざまなほうこうさんを20点展示。中には、高松張子の第一人者で県の文化功労者、宮内フサさんの作品もある。新型コロナが終息するまで公開する予定という。

　開館は午前9時～午後5時、月曜休館。問い合わせは同館（087・861・4520）。【喜田奈那】

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June 23, 2020 at 08:34AM
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